『中年よ、大志を抱け』いざ行かん、北の大地、北海道へ! |
今から、十年くらい前から、北海道へ行かずじゃねぇか、という話は出ておりましたが、仕事の調整やら予算不足やらで(すみません)ほとんど実現不可能な話として受けとめておりましたが、松本空港の開港に伴い、金曜日の午後便で行って、日曜日の昼便で帰れば、なんとか仕事の調整も、つくのではないかスケジュール的には不可能な話ではないなあ、くらいの気持ちは持っておりました。が、それでもまだ話しの話しとして、いつかは行くかもしれないくらいの印象しか持っておりませんでした。それが、にわかに現実の話として、このプランを聞かされた時は、正直言って、この9月の一番のピーク時のしかも金曜〜日曜の松本―千歳便のフライトが確保できるだろうか、という心配がありました。しかし、とにかくご存じのように、私としては、なんでも仕事にありつきたい一心でおりましたので、とにかくやります。やらせてくださいという意気込みで、こんな言い方で大変申し訳ありませんが、見切り発車を致しました。そうは言っても、ある程度取れる見込みがなかった訳ではありませんでした。それは、航空会社の担当者が転任の挨拶回りをした時、一番目に応対したのがこの私だったそうで、何か、縁があるのでは、又、その時の雑談でも、私と大変ウマがあう人だという印象を持ち、彼ならあの取りづらいピーク時の松本便も託せるのではないかという確信はありました。確かに、ピーク時の飛行機の座席だけは、強引さとプッシュプッシュで取る世界でありまして、松本空港開港時にはよく、団体の中で何人か又は団体全員が途中で取れなくなってしまったという話を何度も耳に致しました。それほど、この松本便の座席は確保するのにむずかしい要素があるのです。 飛行機の席を取った自慢はこのくらいにして、この飛行機は、松本のように上空の気圧が低く、滑走路が短い高地専用のジェット機で構造上、一気に上昇する必要があり、普通の飛行機よりも上がってゆく角度がはるかに急です。外から見ていると、それほどには見えませんが、搭乗者はまるでロケットに乗っているかのような気分になります。新潟上空を通過し、一旦日本海に出て又秋田あたりから内陸に入り、気流の安定した最短距離のルートを取って飛行をしています。高度が高くないため、下の景色がいつまでも見下ろすことができ、雲の波間を突き抜けるまで、上空からの日本列島地図を楽しめるのもローカル線ならではの魅力といったところです。特に、わかるのが道路の線引きですが、山や谷の間をぬって、道路が見えるので、あー、やっぱり道路っていうのは、このルートしかないという位置に引かれるんだなあということがよくわかります。あっという間に千歳空港に着いてしまい、それまで、バスで名古屋空港や羽田まで行き、朝一番の便で千歳に向かっていた私どもとしましては、なんとあっけないと言うか、もう着いちゃったの?という感じで、北海道へ来た実感がわきませんでした。それでも、早くてよかったーとは思います。なにしろ名古屋空港や羽田空港に向かっている時間よりずーと早く、わずか80〜90分間のフライトで北海道の大地を踏みしめることができるのは、新鮮な喜びでありました。千歳空港はただただ広く、ターミナルを間違えたら、一大事です。 帰りはここで時間を取ってほしいというリクエストがあるのも当然でしょう。 ショッピングモールはにぎやかく、広場でのエンターテイメントなどもあり、ひとつの街を形成しているかのようです。いよいよ観光バスで北海道を走ります。高速道路に乗って見える景色はやっぱり広いなあという感じです。なんにも使ってない土地がいっぱいあって、ごみごみした都会に住んでいる人達にとってはもったいないなあという気がするでしょう。さすがに酪農の国らしくすぐに牧草地帯に入っては、又、荒れ地みたいなところを通過して、ポツンポツンとしかない家々を見て、だんだん住宅が多くなってきたぞと思う頃には札幌が近いです。札幌はさすがに東北以北最大の都市だけのことはあり、ここだけは広い酪農の国、北海道というイメージからはかけ離れてしまいます。サッチョン族とか言われていますが、本当の道産子は全体の1割であとは本州からの単身赴任やら、東北や同じ道内から働きに来ている人達で占められているそうです。特に、夜の歓楽街すすきのでなんらかの仕事をしている人が数多く、札幌の中でも人口密度が集中しているのがすすきの界隈だそうです。特に、女性の単身が多く、わずかの期間で荒稼ぎして田舎に帰ってしまう人が多いそうでそれだけにちょっとしたスナックやクラブでも、肉弾攻撃を迫られそうな雰囲気が確かにあります。が、ご用心ご用心で、一元の旅のお客様は決して金額のわからない店には入らないようにごお願い申し上げます。しかし、その前に、楽しみにしたいのは、やはり味覚の方でしょう。海の幸の宝庫と言われますように、毛がに、花咲がに、たかあしがに、ずわいがに、イカソーメン、うに、サケ、サケの刺身のルイベ、ビール、ジンギスカン、ラーメン、乳製品等々この日ばかりは腹がふたつかみっつ欲しいと思います。私はバターラーメンが好きですが、一回はバターラーメンを食べ、もう一回はとっておきのラーメン屋に又行くでしょう。いつ行っても早くて30分、長くて小1時間並ぶまさに行列のできるラーメン屋に行くことを楽しみにしています。夜中なら空いているだろうと思って午前2時頃に行ったことがありましたが、その時間でも満員で20〜30分待たされたのには驚きました。確か午前4時までやっていると聞きましたが、いつ行こうかとひそかに思っています。初日の夜はビール園での食べ、飲み放題で、出来立てのビールというのは少し酸味がありますね。腹いっぱいになっても又、ラーメンを食べに行こうという気持ちになるのは、大げさかもしれませんが、日本人共有のなにかがあるのでしょうか、それともただの欲でー?原稿の関係でどんどんはしょってしまいますが、2日目には小樽です。買物をするなら、帰りの千歳空港では、補助程度にしておいて、家の人へのお土産やお使い物の宅配便なら是非ともこの鱗友市場でしてください。品物はおそらく今の北海道の中でも一番良いのではと思います。値段もべらぼうに安い訳ではありませんが、小樽漁港の漁業卸売市場ですから高くありません。寿司の小樽での水産市場ですから、それだけでも、モノのよさはわかっていただけるのではと思います。 2日目の晩は『おれの札幌』といういかにも北海道を愛してやまないオーナーが命名したと思われる大型居酒屋店です。やはり、食べ飲み放題ですが、今度はお待ちかね、三大がに(毛がに、たらばがに、ずわいがに)、ジンギスカンのプルコギ風、海鮮寿司5種(まぐろ、サーモン、甘えび、ホタテ、いくら)の、これが全部食べ放題です。他にもジャガイモや汁物の食材もあります。飲み放題はビール、日本酒、ウイスキー、焼酎、ソフトドリンク、サワー類と、ほとんど全部の飲料類が飲み放題です。とにかく『おれの札幌10周年特別企画』ですから、大変得なプランに間違いありません。せっかくですから、食べて食べてとにかく食べまくりましょう。さて、楽しい時間はあっと言う間にすぎてしまいます。最終日、皆様方に是非立ち寄って戴きたい所は羊ヶ丘展望台です。北海道大学に赴任していたクラーク教授が帰国する際、クラーク教授を慕っていつまでもついてきて離れない生徒たちに向かって、荒野を差しながら言った有名なあの言葉『青年よ、大志を抱け』といよいよ帰郷の途につく我々と当時の学生たちの姿が重なって見え、帰りの航空便の待つ千歳空港も近づきつつあり、端的に北海道旅行のラストを締めくくってくれているように感じます。 |
つづく・・・ |